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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页

青空文庫

「奥方様のお吩咐とかで、三人の腰元衆お庭へ出てまいられ、桜の花お手折り遊ばされ、お引き上げなさろうとされました際、その中の楓殿不意に苦悶され、そのまま卒倒なされましたが、もうその時には呼吸がなく……」

「お館様!」と頼母は振り返った。

「履物を出せ、行ってみよう」

中納言家には立って来られた。

「それでは余りお軽々しく……」

「よい、行ってみよう、履物を出せ」

庭番の揃えた履物を穿き、中納言家には庭へ出られた。

もちろん頼母は後からつづいた。

庭番の源兵衛に案内され、築山の背後へ行った時には、苦しさに身悶えしたからであろう、髪を乱し、胸をはだけた、美しい十九の腰元楓が、横倒しに倒れて死んでいる側に、二人の腰元が当惑し恐怖し泣きぬれて立っていた。

第二の犠牲

手折った桜の枝が地に落ちていて、花が屍の辺りに散り敷いているのが、憐れさの風情を添えていた。

中納言家は傷わしそうに、楓の死骸を見下ろしていたが、

「玄達を呼んでともかくも手当てを」

こう頼母に囁くように云い、四辺を仔細に見廻したが、ふと審しそうに呟かれた。

「この頃に庭を手入れしたと見えるな」

頼母は庭番の源兵衛へ、奥医師の玄達を連れて来るように吩咐け、それから中納言家へ頭を下げ、