轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゅぜんじものがたり
修禅寺物語
岡本 綺堂
「文芸倶楽部」1911(明治44)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,737 字 · 26 页
頼家 予が召仕いの女子じゃよ。
行親 おん謹みの身をもって、素性も得知れぬ賤しの女子どもを、おん側近う召されしは……。
(桂は堪えず、すすみ出づ。)
かつら 兵衛どのとやら、お身は卜者か人相見か。初見参のわらわに対して、素姓賤しき女子などと、迂濶に物を申されな。妾は都のうまれ、母は殿上人にも仕えし者ぞ。まして今は将軍家のおそばに召されて、若狭の局とも名乗る身に、一応の会釈もせで無礼の雑言は、鎌倉武士というにも似ぬ、さりとは作法をわきまえぬ者のう。
(冷笑われて、行親は眉をひそめる。)
行親 なに。若狭の局……。して、それは誰に許された。
頼家 おお、予が許した。
行親 北条どのにも謀らせたまわず……。
頼家 北条がなんじゃ。おのれらは二口目には北条という。北条がそれほどに尊いか。時政も義時も予の家来じゃぞ。
行親 さりとて、尼御台もおわしますに……。
頼家 ええ、くどい奴。おのれらの言うこと、聴くべき耳は持たぬぞ。退れ、すされ。
行親 さほどにおむずかり遊ばされては、行親申し上ぐべきようもござりませぬ。仰せに任せて今宵はこのまま退散、委細は明朝あらためて見参の上……。