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はいゆうせいかつについて
俳優生活について
宮本 百合子
「テアトロ」1946(昭和21)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,144 字 · 6 页
れるのを見てもわかる。文学の分野はすこし前進している。改造社さんとは云わないで通るようになっているのである。しかも、一方に、急テンポな近代資本主義化が進んでいて封建的にきりはなされ、格式だおれな心理になりがちな俳優たちの生活が、欧米式自由競争、契約の方法にきりかえられようとしている。そういう社会的な波瀾に対して、俳優の生活は、どんな一致した結集力、芸術擁護の実力をもっているのだろうか。俺ぐらいの俳優になれば、或は演出家その他になれば、どんなことがあっても大丈夫だ、というだけですむのだろうか。文学の経験では、それですまなかったのである。力んで、印を結んだまま奈落へ沈むとおりに、個人個人は威容をくずさず没落した。歴史の波間に沈んだ。
文学者その他の文筆にたずさわる人々の間では著作家組合が考えられて来た。演劇関係の人々の間に、そういう専門家のかたまりのようなものはあっていいのだろうか。あるべきなのだろうか。或はあるべきだが出来ない理由があるというのだろうか。
芝居の面白さ、芸術としての魅力は、つまり小説と同じものなのだと思うようになった。仲介となる表現様式は勿論ちがうのだけれども、つまり私たちの生きている人間の諸問題にじかにふれて来る力であり、その面白さの生れるためには、作家、俳優が、いかにも正直なピチピチし