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げんろくじゅうさんねん
元禄十三年
林 不忘
在线阅读林 不忘《元禄十三年(げんろくじゅうさんねん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,586 字 · 42 页
吉良は、先日岡部から、この宿坊のことを訊きに来たとき、ざっと掃くくらいでよいといってやってあるので、手入れなどは何もできていないであろうから、それを機会に、美濃守をとっちめてやろうと、いくぶん今日をたのしみにしていた。
いうまでもなく、とり換え得るものはすべて新しくして、隅ずみまで細かい注意を払っておくべきなのだった。
今日になって騒いだとて、もうお着の日が迫っている。間に合わぬ――吉良は、完全に美濃守に復讐した気で、久しぶりに晴ればれと、広光院の門を潜った。
が、まず庭に、見事に手が届いているのが、吉良の腑に落ちなかった。そして玄関をはいると、新壁と、あたらしい畳のにおいが、鼻をついた。
「すっかりやってあるわい。」つぶやいた吉良は、裏切られたような別の怒りが、こみ上げてきた。「何からなにまで、法どおりに準備えおったらしいぞ。」
奥から、美濃守の大声が聞こえてきていたが、取次ぎが、吉良の来たことを知らせても、出てくる気配はなかった。
久野と十寸見に案内させて、各部屋を見て廻りながら、吉良は、歯を食いしばっていた。
「これでよい。何も申すことはござらぬ。