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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页

青空文庫

Yes, I'll.

と、返事して、一寸顔を出して、すぐ下りて来るのであった。

私たちはグレスフリーという語を使った。「最高学府の生徒はレディに対してはグレースフリーでなくてはならぬ」

かるた会の席で娘たちに失礼なことを言うものがあると、堀野が一番に顔をしかめるようになった。

しかし私たちはそうして「かるた」を夜明しでとりながら、すぐその足で二十丁ある学校へ寒稽古に通ったのであった。そして授業の初まるまでには汗びっしょりになって、それで優等生でなくてはならないのだ。

私はその頃の「かるた会」の事が忘れられない。

私たちはギリシャ的精神の中で武と文とを追っていたのだ。

旧館内というのは元の士族町のことでひっそりとしていた。かわるがわる読み役になる者は優美な読み方を工夫せねばならなかった。初めに空札一枚読むのに用いる歌をめいめい工夫して来たものだ。鈴木秀一という郡長の令嬢の秋子さんというのも常連の中にいた。この郡長は学校の式の時の最高官吏で、来賓総代で祝辞を述べるとき、いつでも「臣秀一」といった。その厳めしい郡長の令嬢は私たちの「かるた」仲間で脱線的な、活々した娘であることが私たちにはおかしく楽しかった。