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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页
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恐らく九つの年だろう。両親への復讐心のあらわれだ。何が気に食わなかったのかは記憶していない。とにかく愛してくれてるものへの幼稚な復讐心だ。こうした拗ねと甘えとは私たち同胞のつきものだ。ただし他家へ養女にやられた姉妹はこの気持は知るまい。それ程両親は私たちを愛し、私たちも両親を愛した。後年、社会が私たちに、冷たく冷たく感じられるのも、こうしたスィートな幸福を知っているからだ。今日の社会は拗ねることも、甘えることも許しはしない。しかし人と人とのつながりとはこうした機微がなくては、有機的に融け合うものでないのではあるまいか。
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尊いものとして、幼ない心に沁みついている記憶は髪の真白な、色沢のいい顔色をした祖母の姿だ。私の下には妹が二人あったので、私は十三の歳いよいよ五里離れた三次町の中学に行く時まで、この祖母と寝た。祖母と寝るものだと思っていた。たまに父母の所で寝ると勝手が違って眠れなかった。身のまわりの世話はこの祖母がしてくれたのだ。私は小学校にあがる頃まで寝小便のくせがあったが、冷たく濡れた方へ祖母が寝かえてくれたものだ。痒いと言っては祖母にかかせた。