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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
「朝日新聞」1922(大正11)年6月26日~7月10日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 18,574 字 · 38 页
あの高原にいるころ、暁の風が、頭の上の空を渡り、葉末に露のしずくの滴るとき、星の光が、無数にきらめいていた。それが、たがいに追いかけ合ってでもいるように、金や、銀や、青や、赤の星がきらめいていた。そして、いつともなしに時がたつと、みんな影を地平線のかなたに没してゆく。
翌日は、とこなつの花は、朝のうちから、空模様がおかしく、暴風のけはいがするのを身に感じました。
昼ごろ、せんだってのみつばちが、どこからともなくやってきて、花の上に止まりました。
「どうなさいましたか?」と、とこなつの花は、みつばちに声をかけました。すると、みつばちは、
「今日は風ですよ、なんだか天気がおかしくなりました。こういう日は、高い脊の花に止まっているのは危険です。いくら香気があっても、またきれいに咲いていても、風といっしょに吹き飛ばされたり、折れた下になったりしては、たまりませんからね。今日は、あなたのところに置いてくださいまし。あなたは、脊が低く、地面についていますから、ここなら危ないことはありません。あの雲ゆきの早いのをごらんなさい。」と、花に向かっていいました。
花は、頭を上げて空を見ました。