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とううん
凍雲
矢田 津世子
「婦人文芸」1934(昭和9)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,121 字 · 29 页
囲いものさ、などと取り沙汰をするものもある。
あぶらやの後取り息子の仙一が、茶町のお高の家から出て来るところを見かけた、というものもあって、町の噂はだんだん活気づいてくる。
今年十九の仙一は、父親に似て背が高く、眉の初々しい若者だ。店のことから、飲んだくれの父親の世話まで万端ひとりで取りしきっている。隣家の判こ屋の末娘と、どうとやら、この日頃、噂をたてられているようだけれど、これも、噂好きな町の人たちの、ほんの噂ばなしかもしれない。