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どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ

動力革命と日本の科学者

中谷 宇吉郎

「文藝春秋」文藝春秋新社、1955(昭和30)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,399 字 · 27 页

青空文庫

すなわちダムの構築は止めるのではなく、地形条件の許す限り、今後もどんどん造るのである。しかし貯水池式でも、少しは年間発電量に変化があり、また需用にむらがあるので、不足分を補うために、新しい火力設備も造る。それももちろん新鋭高能率のものにする。話はこれだけのことである。

一々もっともな話で、何も問題になるような点はない。昔の設備は能率が悪いから、新しい能率のよい設備に変える。それだけのことが、革命的な大事件のように騒がれる、というところが、この問題において、重要な意味のある点である。

もっとも効果からいうと、もしこの構想が計画どおりに行くと、たいへんな利益になるのであって、そういう意味では、革命的な構想ともいえるのである。提唱されている案は、六年計画であって、完成後は、年間水力四三七億キロワット時、火力二一七億キロワット時が生産される。他に電源開発会社のものなどがあって、総計七四五億キロワット時になる。これは現在の約五割増で、これだけあれば、産業界もちっとも困らない。水力と火力との割合は、昨年度が七七対二三の比率であったが、この案の完成後には、それが七一対二九になる。