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どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ

動力革命と日本の科学者

中谷 宇吉郎

「文藝春秋」文藝春秋新社、1955(昭和30)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,399 字 · 27 页

青空文庫

その中には、こういう額とは比較にならないくらいの僅かの研究費を、日本の学者に出せば、日本で立派に出来るものもありそうに見える。それだったら、いかにも馬鹿げた話である。

これに対して、政治家や実業家の人たちは、別の考えをもっておられることであろう。日本の科学および技術方面の学者たちが、本当に役に立つ研究をすれば、黙っていても、研究施設も拡充し、研究費も出す。しかし議論ばかりしていて、日本国民が生きて行くのに、役に立つ仕事は、あまりしてくれない、外国特許など買いたくはないのだが、買わざるを得ないのだ、と言われる方があるかもしれない。

もっとも少し意地悪い見方をすれば、百万円の研究費を出せば、多分出来るであろうが、絶対に出来るかどうかはわからない。一億円の外国特許を買っても、その分はコストの中に入れればよいから、この方は確実にいくらかは儲かる、というような考えが、心の底に潜んでいる場合もあり得る。

しかしこの種の議論は、いずれも単に表面を撫でている話であって、問題の灸所は、もっと深いところにあるのではないか、と思われる。前に書いた「科学と国境」(『知られざるアメリカ』