轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社、1951(昭和26)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,997 字 · 44 页
半之助はひどくぶきように、一椀の茶を啜り、菓子を摘みながら、夫人の姿をそれとなく、だが相当大胆にちらちらと眺めまわした。
「なにをそんなにごらんなさるの、わたくしの顔になにか付いていました?」
「いや、その、私は」半之助はちょっと吃ったが、
「――実はいま御城代のことを考えていたんです」
「わたくしの顔と主人となにか」
「いいえこうなんです、うちあけて申しますけれども」彼は声を低くした。
「――御城代についてですね、私はこれまでずいぶんばかげた蔭口を聞きました、もちろんお顔のことなんですが、失礼にもおっとせいなどという、実にたわけた」
「似ていますわ」夫人は声を忍ばせて笑いながら、
「――絵で見るのとそっくりでしょう」
「貴女はふざけていらっしゃるんですか、それとも」半之助は屹となって云った。
「――それともまじめにそんなことを仰しゃるんですか」
急に半之助の態度が変ったので、夫人はちょっと吃驚して戸惑ったように彼を見た。
「私は反対です」彼はきっぱりと云った。
「――反対どころではない、私は御城代ほどの美男をこれまで見たことがありません」
「美男ですって?」
「それも天下第一級のです」