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なんぽうものがたり

南方物語

小川 未明

「赤い鳥」1928(昭和3)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,065 字 · 11 页

青空文庫

」

「かわせみさん、そこが、私の用心深いところなんですよ。だれもすぐあなのまわりに、私たちの好きな食物があると思うでしょう。私が、それを捕らないのは、巣のあり場をかくすためです。こういう秘密も、仲のいいあなたにだけお教えするのですよ。」と、つばめは、さも、じまんそうにいいました。そして、立ち去ったのであります。

あなにいた子つばめは、母つばめの後をしたいました。もう、目はあいていたから、チイ、チイと鳴いて、あなの入り口まではい出て、お母さんの許しなしに、赤いほおを出して外の世界をのぞいたのです。

きらきらとした、美しい水が、目の下にあふれていました。そして、すぐあなの前へ差し出た青い葉のついている枝に、自分たちの好きな、いつも母親が、どこか遠方から持ってきてくれるのと同じい毛虫が、うようよとして動いているのを見ました。

「これは、どうしたというのだろう? お母さんはこれを知らないのか?」

子つばめたちは、首をのばして、あらそってそれをとろうとしました。そして、つぎの瞬間に、みんな湖水の中に落ちておぼれてしまいました。

親つばめは、まだそれを知りませんでした。