轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こきんしゅうまきのご
古今集巻之五
山本 周五郎
「文藝春秋」文藝春秋新社、1958(昭和33)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,482 字 · 43 页
五郎太は杉江の死顔を見ていた。やや頬骨の張ったまる顔で、眼尻が少しさがり、鼻も低いほうだし顎がしゃくれているから、縹緻よしとはいえないが、子供っぽい陽気そうな感じにみえる。背丈は五尺一寸くらい、肩も細いし手爪先も小さく、ぜんたいがいかにも小づくりであり、主計の「箱入り女房」という言葉がぴったりするように思えた。
「口止めをしたか」
五郎太はそう云いながら、夜具の、枕の当る位置の下へ手を入れた。そこに書物の端のような物が見えたからで、さぐってみると一冊の本があった。
「口止めはした」と主計が云った、「知っているのはたみと藤田伊太夫の二人だけで、二人には固く口止めをしておいた」
「おれを呼んだのはよかった」と五郎太が云った、「いそいで柳田良庵に来てもらおう」
「柳田、――いまさら医者をどうする」
「とにかく使いをやってくれ」と云いながら、五郎太はいま取り出した本の題簽を読んだ、「古今和歌集、巻の五、秋の歌下か」
「おれは一度も叱ったことさえなかった」と主計は云いながら立ちあがった、「どうしてこんなことをしたのか、なにが原因で死ななければならなかったのか、おれにはまるで見当もつかない」