轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうほう

同胞

豊島 与志雄

「中央公論」1924(大正13)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,713 字 · 32 页

青空文庫

お祖母さんから聞いて、喫驚して、それから急に君に逢いたくなって、何度も君の家の方へ行ってみたんだけど、店に人が坐っていたから……。あれ、君のお母さんなの。」

茂夫は何とも答えなかった。だいぶ暫くたってから、独語のような調子で云った。

「僕は前から知ってたけれど、あなたに逢ってはいけないと、お母さんから止められてたんです。」

「え、何故だろう。」

「大きくなれば分ることですって。」

恒夫は妙に冷りとした感じを受けた。自分が今迄漠然と気兼ねしていたこと、祖父母や母やまた茂夫の家の人達に、気付かれないようにしたいと思っていたこと、それがぼんやり分りかけてくるようだった。

「だって僕達だけなら構わないだろう。」

「そうかしら。」

その調子が初めて恒夫の気に入った。彼は最初の元気を取直して、いろんなことを尋ねかけ、また自分の方からもいろんなことを話した。茂夫の家では、父が会社の書記をしていて、母が店の方をやっており、其他に十二歳の妹と九歳の弟とがいること、などを彼は聞き知った。そして自分の家では、祖父はいつも碁ばかりうっており、祖母はいつも病身であって、母が二人の女中を使って、何もかもやっていること、などを話してきかした。