轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

「サンデー毎日」1925(大正14)年7月5日~10月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,286 字 · 301 页

青空文庫

すべて燈籠の据え方には、造庭上の故実があって、それがなかなかむずかしい」

「おやおや話がそれますこと」

「冷かしてはいけないまずお聞き、ところでそこにある石燈籠、ちとその据え方が違っている」

「オヤさようでございますか」いつかお品はひき込まれてしまった。

「茶の湯、活花、造庭術、風雅の道というものは、皆これ仏教から来ているのだ」

「まあ、さようでございますか」

「ところが中頃その中へ、武術の道が加わって、大分作法がむずかしくなった」

「まあ、さようでございますか」お品は益※(二の字点、1-2-22)熱心になった。

「で、そこにある石燈籠だが、これはこの室と枝折戸との、真ん中に置くのが本格なのだ」

「どういう訳でございましょう?」

「門の外から室の様子を、見られまいための防禦物だからで、横へ逸れては目的に合わぬ。ところがこれは逸れている。室の様子がまる見えだ」

「そういえばまる見えでございますね」

お品はすっかり感心して、銀之丞の話に耳傾けた。

それが銀之丞には面白かった。もちろん彼の説などは、拠りどころのない駄法螺なので、それをいかにももっともらしく、真顔を作って話すというのは、どうやらお品に弱点を握られ、今にもそこへさわられそうなのが、気恥ずかしく思われたからであった。