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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

私は弓を持ったままぶるぶるとふるえました」

「全く天才だ」と云う東風君について「全く癲癇だ」と迷亭君がつけた。主人は「早く弾いたらよかろう」と云う。独仙君は困ったものだと云う顔付をする。

「ありがたい事に弓は無難です。今度はヴァイオリンを同じくランプの傍へ引き付けて、裏表共よくしらべて見る。この間約五分間、つづらの底では始終が鳴いていると思って下さい。……」

「何とでも思ってやるから安心して弾くがいい」

「まだ弾きゃしません。――幸いヴァイオリンも疵がない。これなら大丈夫とぬっくと立ち上がる……」

「どっかへ行くのかい」

「まあ少し黙って聞いて下さい。そう一句毎に邪魔をされちゃ話が出来ない。……」

「おい諸君、だまるんだとさ。シーシー」

「しゃべるのは君だけだぜ」

「うん、そうか、これは失敬、謹聴謹聴」

「ヴァイオリンを小脇に抱い込んで、草履を突かけたまま二三歩草の戸を出たが、まてしばし……」

「そらおいでなすった。何でも、どっかで停電するに違ないと思った」

「もう帰ったって甘干しの柿はないぜ」

「そう諸先生が御まぜ返しになってははなはだ遺憾の至りだが、東風君一人を相手にするより致し方がない。