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てつがくのげんだいてきいぎ
哲学の現代的意義
戸坂 潤
「唯物論研究 第六〇、六一号」1937(昭和12)年10月、11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,718 字 · 45 页
そんなものを文化の名を以て呼ぶことは、許すべからざることだ。
文化の威厳なるものは、思想への信頼に発する。この点を理解しない者は、終局に於て文化の敵となるだろう。思想への信頼は、思想の科学的信憑性以外からは出て来ない。そうでない思想信頼は、「ひとのみち」的現象でしかないだろう。思想の科学的信憑性ということが取りも直さず、文化を貫く科学的精神の根柢だ。思想の科学は、それ自身この科学的精神に基く他ないと共に、思想についてこの科学的精神がどういう姿態を取って現われたり蔽われたりするかについて、解剖し説明し批判し指導する。
現下に於ける思想的現実を、解剖し説明し批判し指導するために、実際的な思想法則を検討する処の、思想の科学が、苟くも成り立ち存在し得るためにも、すぐに必要なものは科学的精神である。科学的精神のみが、思想を批評し得る。いや、科学的精神のみが、思想というものの実在と、文化というものの現実的な力とを、知っている。――思想や文化は云うまでもなく自主的なものだ。ひとからもらったものは結局、思想であるよりもモードにすぎぬ、文化の媚態を持っていても文化の威容を持てない。