轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

そうせきしとわたし

回想 子規・漱石

高浜 虚子

高浜虚子『回想 子規・漱石』。同一底本的分册已合并为一书。收入:漱石氏と私、子規居士と余。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 页

青空文庫

一番居士の親近者であるという事が、決して後継者としての唯一の資格ではなかったのである。現に今日に於てこれを見ても居士の後継者は天下に充満して居るのである。居士全体を継承していないまでも居士の何物かを受けて、各々これを祖述しつつあるのである。これがむしろ正当の意味に於ける後継者である。また他の方面からこれをいうと、たとい一小虚子であってもその虚子を居士の意のままに取扱いたいと考えたことはやや無理な註文であったともいえるのである。

世の中はどうすることも出来ぬことが沢山ある。余は満腹の敬意を以て居士に接しながらも、またこの際に在って自分自身をどうすることも出来なかったのである。どうすることも出来ぬということは今日の余に在ってもなお少なからずある。人間の生涯はいつもそのどうすることも出来ぬ岐路に立っているものとも考えられるのである。

居士が飄亭君に宛てた手紙の中に、「一語なくして家に帰る。虚子路より去る。さらでも遅き歩は更に遅くなりぬ。懐手のままぶらぶらと鶯横町に来る時小生の眼中には一点の涙を浮べぬ」とあるのもやはり此のどうすることも出来ぬ人間の消息を物語っているのである。