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あかげっと しなあちこち
国枝史郎歴史小説傑作選
国枝 史郎
国枝史郎『国枝史郎歴史小説傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤げっと 支那あちこち、印度の詩人、今昔茶話、支那の思出、世界の裏、全体主義、独逸の範とすべき点、日本上古の硬外交、秀吉・家康二英雄の対南洋外交、ヒトラーの健全性、ローマ法王と外交。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,334 字 · 121 页
を依頼し「日本がメキシコと交通しようとするのは、単に日本のためばかりでなく、貴国の為でもあるのです。というのは、今回そのため関東の浦賀を碇泊所としますがこれは貴国にとっても便利のことと思います。
尚、日本の現在は、国の内外静謐であって寇賊の心配なければ安心して船舶を通ぜられよ」と云い送った。そこで呂宋は意を安んじて、同年船を浦賀に向け、書状及び贈物を献じ、爾来盛んに通商貿易をした。しかしメキシコと日本との通商交通の斡旋をしようとはしなかったが、それは家康に悪意を以って反抗したのではなく、それとは寧ろ反対に日本とメキシコが交通貿易をするようになったなら、折角復活した日本と呂宋との貿易が、メキシコのために妨害されるかもしれないことを惧れた結果なのであった。つまり自分一人日本の寵児になろうとしたのであって、秀吉のために横面を撲られて恐怖した彼が、家康によって撫でられたので、そこまで懐いて来たのであり、秀吉、家康の硬軟二道の外交術が、南洋諸国を、よく日本に馴染ませた一例ということが出来る。
兎まれ秀吉と家康との南洋政策は、その硬軟両様の外交によって、その時代に於ては成功していたのである。