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とさのくにばしら
土佐の国柱
山本 周五郎
「読物文庫」1940(昭和15)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,375 字 · 35 页
……然も、最近になって、関ヶ原残党の武将までが密会に加わっているというのだから、その理由が不明なだけ困惑と不安は大きかった。
「それで、貴公はどうする積りなのか」
「今のところでは、どうしようもない。高閑どのがなんの目的でそういう密会をしているか、その本心をつきとめるのが第一だ。それまでは、貴公たちも事を急がず、拙者の調べに力を藉して貰いたいのだ」
「どのようにも手助けをしよう」
「なんでも申付けて呉れ」
三人は、熱心に膝を進めた。
小弥太はその言葉を待っていたように、十郎左には浦戸の見張りを、勝之助は正念寺を、喜兵衛には城中での老職たちの動静を、それぞれ手ぬかりなく見張るように頼み、尚、これらの始末を他言せぬように念を押した。
三人が辞去して間もなく、小弥太が寝所に入ろうとしていると、婢のかよが、ひどく狼狽えた様子で走って来た。
「急いでおいで下さいまし。高閑のお嬢さまが……」
「小百合どのがどうした」
「御自害をなさろうとして……」
小弥太は愕然として部屋をとびだした。
母親の隣の部屋を小百合に与えてある。行ってみると母が娘の両手を掴んで引据えていた。……小屏風と机が倒れ、筆や硯が散乱している。