轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
もぐら
土竜
佐左木 俊郎
「文章倶楽部」1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,991 字 · 21 页
そして彼は、瞼が段々熱くなって来るのを意識した。
「ヨーギ。天王寺さ行って、糯米買って来うちゃ。兄つあんさ、百合ぶかしでもして食せべし。」
炉傍に寝転んでいたヨーギは、すぐに起きかえった。
「何升や?」
「二升も買って来う。どっさり拵えて……」
梅三爺は、紙に包んで帯に巻き込んでいた金を取り出してヨーギに渡した。ヨーギは汚れた風呂敷を背負って、すぐに出て行った。
「ほんでは市平、俺は、少し百合掘って行って来っかんな。」
「うむ。――父も、こうして難儀してより、思い切って、北海道さ行げばいいのに!」
鎌を持って出て行く父親の背後から、市平は独り言のように呟いた。
梅三爺は、いろいろ考えて見たが、どうしても生まれた土地から離れる気にはなれなかった。北海道に行けば、安楽な生活が待っているのだと伜は言った。頼寄りとする息子とも一緒に暮らすことが出来るのだ。けれども梅三爺は、どんな幸福が待っているとしても、先祖の墓所を見限り、生まれた土地をはなれて、知らぬ他郷へ行って暮らす気にはなれなかった。
市平は、「こんな、自分のものってば、なんにもねえ土地に、一握りの土もねえ土地に、何がそんなに未練が残んべな?」