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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

さきに、祖国との通信は、とつぜん杜絶してしまったのであった。あれほど、自分と堅い約束をした鬼塚元帥さえ私の電波に応じて、答えようとはしなくなった。しかも祖国から発せられる各種の電波信号は、悉く何者かによって、妨害されていた。だから、言葉をかえていえば、祖国日本は、いま行方不明であるともいえる。私は、この際、なにはおいても、祖国の安否を知るため、急行で引返すのがいいと思った。

(うむ、祖国へ帰ろう。ついでに、元帥に会って、親しくX大使の事件を報告しておく必要がある。もしも祖国へ予告もなしにX大使があらわれるようなことがあったとして、誰か取扱い方をあやまるようなことでもあれば、一大事だ。折角の味方が、敵になっては困る。しかも敵といっても、大敵なんだから……)

私は決意した。

「オルガ姫、快速潜水艇の修理は、出来あがっているのか」

私は久しぶりに、オルガ姫の名を呼んだ。

「はい。修理はすみました。いつでも、出動できます」

「そうか。では、すぐ出かけよう。日本へ急行するのだ」

「はい」

私は、「三角暗礁の日記」に、簡単に祖国への出発の次第を記して、この重宝な基地を、また立ち出でた。