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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
地形を察知すること能わず、もし強いて四次元振動をもって、ベトンに穿孔せんとすれば、侵入者は反って激烈なる反撥をうけ、遂には侵入者の身体は自爆粉砕すべし。かくして、今や日本は、金星超人の襲来を恐れず、日本要塞は完成したるなり」
「ふうん、そうだったか。日本全体が、一つの要塞となったわけだな。オルガ姫、それからどうした?」
「――さりながら、黒馬博士に対して、余、鬼塚元帥は、そぞろ同情を禁じ得ざるものなり。以上述べたるところにより明らかなる如く、日本要塞は、外部より何者といえども、絶対に侵入するを許さざる建前により、戒厳令中は、たとえ黒馬博士なりとも、ベトンを越えて日本要塞内に入ることを許されず。すなわち、黒馬博士は、戒厳令中、日本要塞より締め出されたる状態にあり、乞う諒解せよ」
「なんだ、私は、祖国日本から、締め出しをくったのか。こいつは、けしからん」
オルガ姫は、先を読みつづける。
「――されど黒馬博士よ。貴下の勲功は偉大なり、貴下は、救国の勇士なり」
「えっ、私が救国の勇士だというか」
「――貴下は、或いはクロクロ島を操縦し、或いはまた三角暗礁に赴き、或いは魚雷型潜水艇を駆って東西の大洋を疾駆し、そのあいだ、巧みに金星超人X大使を牽制し、X大使の注意を建設進行中わが日本要塞の方に向けしめざりし殊勲は、けだし測り知るべ