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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

からざる程大なり。もし貴下がX大使を牽制せざれば、X大使は、必ずわが本土に近づきたるべし。わが本土に近づけば、未完成のベトンを浸透して、国内に侵入し、わが要塞建設を察知すべく、よって直ちに金星へ通信し、金星大軍は、時を移さず、わが本土内に攻め入り、ひいては地球の大敗北を誘致するに到りたるものと想像し得らるるなり。黒馬博士の殊勲に対し、余鬼塚元帥は、深甚なる謝意と敬意とを捧ぐるものなり」

「ああ、そうだったか。あのX大使というのは、金星超人だったか。なるほど、それでこそ、四次元振動を起して、風の如く鉄扉を越えて闖入してきたり、それから、私に四次元振動をかけて、ユーダ号へ連れていったり、魔術のようにふしぎなことを、やってみせたのだな」

四次元振動は、一種の魔術だ。米連艦隊の主力艦オレンジ号が、いきなり宙吊りになったり、それから、艦体の半分が見えなくなったりしたのも、四次元振動を使って、人間を、あっと愕かすのが目的だったのだ。

それを諒解するには、こんなことを考えてみるがいい。

平面の世界――いわゆる二次元世界に住んでいる生物があったとする。つまり、一枚の紙の上が、彼等の世界であったとする。