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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
ざざざーッと、いそがしそうに鳴るのは、全速力の哨戒艦が、後へ曳く波浪のざわめきであろう。
映写幕のうえの艦影は、刻々に大きくなってくる。
その三点の黒影は、ぽつぽつぽつと並んでいたと思うと、しばらくすると、どっちからともなく寄って一緒になってしまう。そしてまた暫くすると、離れる。そのとき、一番艦が、左から右へ移り替る。――艦隊は、ジクザク行進をつづけているのだ。
私は、この様子を、じっと眺めていたが、艦隊が、わがクロクロ島の方位を、完全におさえていることを知った。一体、どこで、うまく見当をつけられてしまったのであろうか。
「こいつは、油断がならないぞ!」
私は、万一の用意をした。
そのうちに、艦影は、映写幕一杯になった。4と記した赤灯が、ふっと消えて、その隣りの3と書いた赤灯が点いた。映写幕上の艦影は、とたんに小さくなった。
が、こんどは、艦影は、どんどん大きくなっていった。赤灯は2が点き、遂に1が点いた。そのころ吸音器から、ぼそぼそと、人の話ごえが聞えてきた。
「一番艦の艦橋のこえを採れ!」
私は、号令をかけた。
オルガ姫は、どこの国の機関部員にも負けない敏捷さでもって、しきりに目盛を合わせた。