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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
(おい、どうだね、黒馬博士。わしのすばらしい透過現象を見ただろうね。それから、君の脳細胞もまたオルガ姫の電気脳も、わしは、やっつけようと思えば、徹底的にやっつけられるのだが、それでは礼儀を失うと思ってあの程度に止めておいたのだよ。とにかく、気を付けなければいけない。これは、君への忠告だ。君たちは、自分の脳の働きについて、あまり自信がありすぎる。その辺をよく考えたまえ。地球の人間が、大宇宙で一番優秀な生物だと思っていると大まちがいだよ!)
X大使が、はじめは夢の中にあらわれ、それからしばらくすると、だんだん夢ではなく、テレビジョン電話で話しかけられているような恰好になってきた。
X大使は、あの超人的な力をもって、今もなお私の脳髄に、不思議な力を働かせているのではないか。私は胸元をしめつけられるような苦しさに襲われ、はっと目ざめて、長椅子からとび上った。――しかし、それは、やっぱり夢であった。
おそるべきはX大使だ。彼は、私の強敵だ。そのとき私は、ふと或ることを思いついた。いつか、「地球お化け事件」のことについて、怪放送を行っていた疑問の人物があったが、あの人物こそ、このX大使と同一の人物なのではなかろうか。