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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
――つまり、時間の動きが、ともかくも、私を絶望の世界から救ってくれたのである。
時間の動きだ。時間が、どんどん経っていった。時間の速さが、どの位であったか、それは知らない。とにかく、何時間か何十時間かが経過した後、私は不意に、一道の光明の中に放りだされたのである。――それは、音響として私の耳を撃った。百雷が一時に崩れ落ちたかのように、その音響は、私の鼓膜を揺りうごかした。――それは、単に言葉に過ぎなかったのではあるけれど……。
“どうかね、黒馬博士。もういい加減、閉口したろうねえ”
恐怖の声! 戦慄の言葉!
私は悪寒と共に、ぶるぶるッと、慄えあがった。
(どうかね、黒馬博士。もういい加減、閉口したろうねえ)
――とは、どこかで聞き覚えのある声音ではある!
(ああ、そうだ!)
私は、思い出した。そしてまた、大きな戦慄が、私の全身に匐い上った。
「おお、X大使か、貴様は!」
私は、暗闇に向って、声をふり絞った。
空間から不意に飛び出した声は、たしかに、あの超人X大使の声に違いないと思われた。
「おい、黒馬博士。君は、ひどい奴だ」
と、その声は、私を責めた。たしかにX大使の声だ!