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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

そして知覚を失ってしまったのである。

確認された侵入――三角暗礁へ船をつけろ

再度、私が吾れに戻ったときには、なんという不思議か、私は元の快速潜水艇の中に横たわっていた。

「深度、百五十!」

オルガ姫の声だ。

私は夢を見ていたのか。

「おい、オルガ姫。クロクロ島の所在は、どうした」

「はい。まだ、見当りません」

いつの間にか、スイッチが切りかえられて、操縦その他は、オルガ姫が担当していることが分った。

夢を見ていたのであろうか。本当に、あれは夢だったか。

そのとき私は、右掌を、しっかり握っているのに気がついた。

「なんだろう?」

私は掌を開いた。中から出てきたのは、一枚の折り畳んだ紙片であった。

私は、その紙片を開いてみた。

「おお、これは……」

私は、愕然とした。

「友好的に協力を相談したし。X大使」

簡単だが、ちゃんと文章が認めてあった。いつ、誰が、私の掌の中に、この紙片を握らせたのであろうか。しかしこんなものがあれば、さっきからのX大使との押し問答は、夢だとは思われなかった。

私は、改めて、惑わざるを得なかった。

「オルガ姫、われわれがクロクロ島のあった場所に戻りついてから、只今までの間に、なにか異変はなかったか」