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キリストしんとのなぐさめ
基督信徒のなぐさめ
内村 鑑三
明治二十四年四月十九日いわゆる……「基督信徒のなぐさめ」警醒社書店、1924(大正13)年2月25日改版<br>“If I can put……「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1896(明治29)年12月1日<br>自序「基督信徒の慰」警醒社、1893(明治26)年2月25日<br>第二版に附する自序「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1893(明治26)年8月14日<br>回顧三十年「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1923(大正12)年2月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,320 字 · 100 页
第四章 事業に失敗せし時
の高壇、余に無声の説教を聴かしむるあり、激浪岸を打て高く、砂礫白泡とともに往来する所、ベスホレンの凱歌、ダムバーの砲声、ともに余の勇気を鼓舞するあり、然り余は無教会にはあらざるなり。
しかれども余も社交的の人間として時には人為の礼拝堂に集い衆とともに神を讃めともに祈るの快を欲せざるにあらず、教会の危険物たる余は起て余の感情を述べ他を勧むるの特権なければ、余は竊かに坐を会堂の一隅燈光暗き処に占め、心に衆とともに歌い、心に衆とともに祈らん、異端の巨魁たる余は公然高壇の上に立ち粛然福音を演べ伝うるの許可を有せざれば、余は鰥寡孤独憂に沈むもの、或は貧困縷衣にして人目を憚るもの、或は罪に恥て暗処に神の免を求むるものの許を問い、ナザレの耶蘇の貧と孤独と恵とを語らん、ああ神よ余は教会を去ても爾を去る能わざるなり、教会に捨てらるる不幸は不幸なるべけれども爾に捨てられざれば足れり、願くは教会に捨てられしの故を以て余をして爾を離れざらしめよ。
第四章 事業に失敗せし時
基督教は人を真面目になすものなり、青年これによりてすでに老成人の思想あり、少女これによりてすでに老媼の注意あり、そは基督教は物の実を求めしめてその影を軽ぜしむるものなればなり、小説の玩読芝居の見物は変じて歴史の攻究社会の観察となり、野望的の高名心は変じ