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キリストしんとのなぐさめ

基督信徒のなぐさめ

内村 鑑三

明治二十四年四月十九日いわゆる……「基督信徒のなぐさめ」警醒社書店、1924(大正13)年2月25日改版<br>“If I can put……「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1896(明治29)年12月1日<br>自序「基督信徒の慰」警醒社、1893(明治26)年2月25日<br>第二版に附する自序「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1893(明治26)年8月14日<br>回顧三十年「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1923(大正12)年2月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,320 字 · 100 页

青空文庫

ものをして能く大事業家たるの聖望を起さしむ、カーライルのいわゆる Peasant-saint(農聖人)、すなわち手に鋤を取りながら心に宇宙の大真理を貯うる人、これ基督の理想的人物にして、基督彼自身もまた僻村ナザレの一小工なりし。

余も基督信徒となりしより芝居も寄席も競馬も弄花もことごとく旧来の玩味を去り、独り事業ちょう念は頻に胸中に勃興してほとんど禁ずる能わざるに至れり、或は蘇のリビングストンを学び、「利慾のために商人の通過し得る処何ぞ基督の愛に励まさるる宣教師の通過し得ざるの理あらんや」といいつつ亜弗利加大陸を横断せしに傚い、我もまた新宗教の感動の下に南洋または北海無人の邦土を探求せんか、或は独のシュワーツ(Christian Friedrich Schwartz)を学び、未開国の教導師となり、仁愛の基礎の上にその国是を定めんか、或は英のウイリヤム、ペンを学び、荒蕪を開き蛮民と和し、純然たる君子国を深森広野の中に建立せんか、或は米のピーボデーを学び、貧より起て百万の富を積み、孤を養い寡を慰め、大慈善の功績を挙げんか、休言よ、基督教に世の快楽なしと、この希望この計画――ああ実に余は余の生涯の短きを歎ぜり、事業、事業、国のための事業、神のための事業、――ああ世に快と称する