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しおをのせたふね

塩を載せた船

小川 未明

「童話」1923(大正12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,881 字 · 12 页

青空文庫

おまえは、それを守らなければならない。」

父親は、子供に向かってこういいました。若者は、遠く沖の方を赤く色づけて、日の暮れかかる海の上を見ながら、父親のいったことを思い出していたのであります。

「俺の夢は、ほんとうのことなのか? それなら、俺は、あの哀れな少年と、娘と、あの哀れな子供を失った母親とを助けてやらなければならない。」

ある日、沖に不思議な、見なれない船が泊まっていました。若者は、すぐにその船を見つけて、

「どこからきたのだろう。あの船はなにかおもしろい夢を乗せてやってきた、魔の船ではないかしらん。」と思いました。

すると、昼ごろ、年とった白髪の脊の低い船長が陸に上がってきて、このあたりをぶらぶらと散歩していました。

若者は、船長がそばを通りかかったときに、呼び止めました。

「あの船はどこからきました? いろいろな夢を乗せてくるといううわさの船ではありませんか。」と、若者はたずねました。すると、船長は、大きな口を開けて笑いました。

「お伽噺に、そんな話があるが、あの船は、そんなものじゃない。毎年のように、この港へ昔からやってくる船なのじゃ。」

「昔から?」