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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
「新青年」1932(昭和7)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,273 字 · 31 页
「電灯を、点けろッ」
わしは、クレーンがまだ動いている裡だったが、決心をして、号令をかけた。そして真先に、懐中電灯を照して、一同の方へ向けた。彼等の顔は、いずれも、泣かんばかりの表情をして見えた。
「しっかりしろ、探険は、これからだッ」
わしは、一同を激励した。
皆の懐中電灯が、揃って点くと、大分場内が明るくなって、元気がついたようだった。
「クレーンを動かすスウィッチが、入っているかどうかを調べるんだ。オイ、政はいるかッ」わしは、クレーン係の、若い男を呼んだ。
「へええ」と政は、死人のような顔を、こっちへ向けた。「どうか、その役割は、勘弁しとくんなさい」そう云って、彼は、手を合わせて、こっちを拝んだ。
「莫迦いうな」わしは叱りつけた。「手前が、調べねえじゃ、係りで無えコチトラには訳が判らねえじゃねえか」
尻込みする政を、両脇から引立てて、捜査に取懸った。
「このスウィッチは、開いている」一同が入った入口の側の壁上で、その入口から六、七間奥まったところに大きいスウィッチが取附けられてあった。その硝子蓋の上から指しながら、クレーン係の政が呻った。「このスウィッチが、開いているなら、クレーンの上へ、電気が行きっこ無いんです」