轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆめはよびかわす

夢は呼び交す

蒲原 有明

――黙子覚書――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,126 字 · 210 页

青空文庫

これならきっと日本一の茶畑になりましょう。地味もよほどよろしいようでございます」といってよろこんでいる。

「わしはよく夢ばかり見るが、その中でもきょうの夢は夢の中の夢のような気がするな。わしがふだんよくよく注意してそちに教えていた、あの海印三昧だがな。その海印三昧がこの畑地の鏡のおもてに実現しておるのじゃ。華厳の教理に関して、わしがむずかしいことばかり言っていたように、喜海、そちは思っていたろう。そんなことではいけないのだ。まずこの畑をようく見極めること。それが修行だ。いいか。」

「はい。仰せのとおりに一所懸命になって、見きわめておりますところでございます。」

「よし、よし。もう一遍見わたすこと。」

喜海は上人からそういわれて丹念に隅から隅まで見わたした。たった今穎被れ葉を出したかと思ったのが、もう二、三寸も伸びて本葉を開いている。この分ならばやがて葉も摘めよう。花も咲こう、実もなろう。

「栄西禅師さまもさぞおよろこびでしょう。」喜海はそういって上人を仰ぎみる。

「よくいった、喜海。わしもこれで禅師の賜物に酬いることができたのだ。」

上人はそういってしばらく考えていて、そしてこういい足した。