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だいせんらんごのこくさいへいわ
大戦乱後の国際平和
大隈 重信
民族的僻見の除去「平和時報 第三巻第一〇号」1915(大正4)年10月<br>戦争と平和「平和時報 第三巻第一〇号」1915(大正4)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,219 字 · 11 页
民族的観念の帝国主義
とにかく、この羅馬の世界帝国主義は今日の如き民族的統一主義とは異なる。この世界主義に代りて起りたるものが、いわゆる民族的統一主義である。
一面に於て正統主義なるものがあって、国内に民族の異なるものあること墺太利の如くなるも、その国王の祖先がその領土を世襲すれば、その国王の正統なる後胤はこれを領有すべきもので、民族の異なるためにその国を分裂すべからずというのが正統主義である。この主義は維乙納会議の際にメッテルニヒ等の主唱したる有力の主義であるが、今これについては別に話さぬ。ここには昔の帝国主義、即ち民族に拘わらずすべての民族を征服せんとした例の羅馬の世界統一主義、あるいは漢の武帝、成吉汗、タメルラン、アレキサンダー等の採りたる主義より、今日の民族を根拠とせし帝国主義に変遷したる次第を話してみよう。
民族的観念の帝国主義
東羅馬帝国亡び、シャーレマーニュの羅馬日耳曼帝国亡びて、後に起ったものが今日の仏国とか西班牙とか英国とかである。これらの列国は一面領土によってその主権の及ぶ範囲を定めたが、他の一面に於ては国民主義により同民族を根本として結合したのである。