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おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

「太陽」博文館、1925(大正14)年7月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,606 字 · 97 页

青空文庫

活きております。どうやら気絶をしたらしい」

間もなくトン公は正気になった。

「済まねえ済まねえ、眠っちゃった。ナーニもう大丈夫だ。だが畜生頭が痛え」

負け惜しみの強いトン公は、気絶したとは云わなかった。

二人を救った若侍は小堀義哉というもので、五百石の旗本の次男、小さい時から芸事が好き、それで延寿の門に入り、五年経たぬ間に名取となり、今では立派な師匠株、従って父親とはソリが合わず、最近家を出て一家を構え、遊芸三昧に日を暮らしている結構な身分の者であったが今日も清元のおさらいに行き、遅くなっての帰路であった。

「またさっきの悪者どもが盛り返して来ないものでもない、瓦町まで送りましょう」

義哉は親切にこう云った。

で三人は歩くことにした。

「爺つあん」の住居へ着いたのはそれから間もなくのことであったが、別れようとする若侍をお願いしてお錦は引き止めて置いて、家の内へ入って行った。

ガランとした古びた家であった。

そうして「爺つあん」の寝ている部屋は、その家の一番奥にあった。

「「爺つあん」、紫錦さんを連れて来たよ」

トン公はこう云って入って行った。

「トン公、どうも有難う」