轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
33 不破の関の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,467 字 · 168 页
与八さん、お前は、お前としての心願もあることだろうが、どうだろう、お前さんにその心がなければ、この郁坊を、わしに養子としてくれるわけにはいくまいか?」
「そりゃ、どうも……」
与八は、やっぱり目をパチパチしている。
「さあ、それが、おたがいの幸福になるか、不幸になるかわからないけれど、これでも、わしは、この頃中、考えに考えぬいてこのことを言いに来たのだ、わしはお前のほかに頼もしい人を知らない、お前を後見として、この郁太郎さんという子に藤原家をそっくり嗣いでもらいたいものだ――わしが、これを言い出すからには、相当に深い決心をしている」
五
宇治山田の米友は、尾州清洲の山吹御殿の前の泉水堀の前へ車を据えて、その堀の中でしきりに洗濯を試みているのであります。
その洗濯というのは余の物ではない、彼は、今、泉水堀の前に引据えた檻車の中から一頭の熊を引き出して、それの五体をしきりに洗ってやっているのであります。
この熊の来歴たるや事新しく説明するまでもない。とにかく、米友はこの熊を洗ってやることに、会心と、念力とを打込んでいる。
「もっと、おとなしくしてろ、そんなに動くもんじゃねえや」