轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
37 恐山の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页
もはや、こっちを呑んでかかって、次第によっては説教の一つも試みようというはらがあって来た奴に相違ない。それだけに油断のならない相手であるとは、お銀様も気がついたには相違ないが、お銀様にもまたたのむところがあると見えて、あえて驚かないのは前と同じです。ところで頬かむりが、
「へ、へ、お嬢様、わっしはこう見えても盗人に来たんじゃごわせん、お嬢様をお見かけ申して少々合力にあずかりてえとこう思いましてな――それをひとつ聞いていただかなけりゃなりません」
と、いよいよ猫撫声で、膝小僧をじりじりと進めて、乙にからんで来るのです。
七十五
「わたしは、お前のような人に頼まれて上げる義理はない、何か用があるなら、夜が明けてから出直しておいでなさい」
とお銀様は、あたりまえの言い分でたしなめますと、
「そうおっしゃるものじゃございませんよ、お嬢様――」
松助のやる蝙蝠安のような、変に気取った声色をして、襖をもう二三寸あけました。そうすると、お銀様の部屋の行燈の光で、忍んで来た奴の正面半身が見えました。
着物は尋常の二子か唐桟といったようなのを着け、芥子玉しぼりの頬かむりで隠した面をこちらに突き出している。