轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
34 白雲の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 页
そこで桶屋さんが、まともにぶっつかって来た大きな独楽を抑えつけたものですから、その独楽との正面衝突です。
「捕った!」「占めた!」というのは、おそらく、勢いこんだ気合の掛声だけだったのでしょう。
正面衝突から両箇が組んずほぐれつの大格闘になったのが、お松の眼にありありと分ります。それから、その一人が気のいい桶屋さんであるだろうこともいよいよ推想されますが、ぶっつかって来た独楽の何者であるかはめまぐるしくってわからない。これが居ても立ってもいられないほどにお松の気を揉ませるのです。
しかし、この両箇が臥竜梅で組んずほぐれつの大格闘を演じている間も、そう長いことではありませんでした。何となれば、追われた独楽の方は身一つであるけれども、それを追いかけたものには幾箇の捕手があり、それが、桶から出て正面衝突に組みついた桶屋さんに加勢する。
「ち、ち、ちくしょう、途方もねえ奴だ、骨を折らせやがる、貴様はどこの何者で、誰の縄張りだ――おれは仙台の仏兵助だぞ」
「…………」
組み打ちながら、仙台の仏兵助と名乗ったのは、天水桶の伏兵をつとめていた昼の桶屋さん――の声に相違ないと、お松の耳には響きましたけれど――敵に名乗りをかけられて相手の独楽がいっこういらえがありません。