轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
中里介山『大菩薩峠6』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 页
ほんとうにそうです。お角として、これから染井の屋敷へ出かけて、あの子を引取りに参りましたと言って、お絹の前へ手が突けるものか、突けないものか。さりとて引取りに行かなければ、向うは、茂太郎を人質に取って、これ見よがしのおもちゃにするにはきまっている。第一、あの呼び物がなくなっては、今日からの一座も打てないじゃないか。お絹という女は虫唾の走るほどキザな奴だ、噛んで吐き出してやりたいほどイヤな奴だと、お角は腹が煮えくり返ってたまりません。プンプンして弟子たちに当り散らしているところへ、
「お早う、親方はおいでか」
と言って、やって来たのが七兵衛であります。
ここへ七兵衛が来合わせたことは、お角にとっては仏様でありました。口惜しまぎれに七兵衛に向ってこのことを語り出すと、七兵衛が面白がって、
「そいつは面白い、そういうふうに仕かけられたんでは、こっちもそのつもりで喧嘩を買わなくっちゃならねえ。しかしお角さん、お前がムカッ腹でどなり込んで行った日には先方の思う壺だ、なんとかいい知恵はねえものかなあ」
七兵衛が面白半分に頭をひねって、小膝をぽんと打ち、
「いい知恵が一つ湧いて来た、それをお前さんに授けるから、上手にやってごらんなさい。