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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

中里介山『大菩薩峠6』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 页

青空文庫

「どうだい、兄貴、こうして坊主持ちも根っから新しくねえ、これから江戸へ着くまで、二人で腕っくらべをやろうじゃねえか、おたがいに出し抜いて、せしめた方が、この刀を物にするということにしようじゃねえか、売り飛ばして山分けにするよりは、その方が柄に合って面白かろうぜ。もし、どっちの手にも落ちなかった時には、こりゃいっそのこと、鳥越の甚内様へ持って行って、さっぱりと納めてしまおうじゃねえか、どのみち、伯耆の安綱なんて刀は、誰が持ったって持ち切れる刀じゃねえ、持ちきれたにしたところで、差料になる品じゃねえんだ、二人で腕だめしをやった上に、甚内様へ持って行って綺麗に納めると、甚内様の供養にもなるし、こちとらの罪滅ぼしにもなろうというものだ。どうしたもんだ、兄貴」

がんりきからこの動議を提出されると、七兵衛は苦笑いをしながら、

「そいつは面白かろう、手前を相手に腕くらべも大人げねえ話だが、甚内様へ奉納というのは、いいところへ気がついた」

そこで七兵衛も納得したらしい。高尾山から江戸までは、この連中にとっては、ほんの一足であるが、その一足の間に、伯耆の安綱の刀を的にして、二人が腕くらべをやってみようというようないたずらは、今に始まったことではないが、さいぜんから二人の口に上る甚内様というのは何物か。