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たいしゅうぶんげいもんどう

大衆文芸問答

国枝 史郎

「新小説」1926(大正15)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,205 字 · 17 页

青空文庫

答「大衆髷物へ手を付けたようにね」問「その出来栄えは如何です?」答「それは甲賀三郎さんが、これも読売新聞で、既に批評をしています」問「それに貴郎は賛成ですか?」答「そうです私は賛成です」問「現代日本の探偵小説壇を、一口に云ったら何う云えましょう?」答「叱る人があるかも知れませんが、私はこんなように云い度いのです。『西洋探偵小説の、翻訳時代から一歩進み、創作時代へ這入ったんだ』とね」問「翻訳にしろ創作にしろ、兎も角も今日探偵小説は、流行していると思われますが、その原因は何んでしょう?」答「私は探偵小説をも、大衆文芸の其中へ敢て加えて居るものです。そうして私は前段に於て、大衆文芸の隆盛になった理由を、説明して置いたつもりですよ」

問「それは解って居りますが、併し探偵小説という、特殊の名称のある物を、特に手中に取上げて、流行の原因を探るのも、不可能のことでは無さそうですね」答「それは勿論可能です。では簡単に云いましょう。ひどく平凡なことですがね。探偵小説というものは、秘密と秘密の曝露とを、取り扱った文芸です。ところで人間というものは、その二つを好みます。