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たいへいようらいげきせんたい
太平洋雷撃戦隊
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,885 字 · 24 页
大汽船はと見ると、マストの上に鮮かな××旗をかかげ、憎々しく落着いて、こっちを向いて快走してきます。自分の飛行機がどんなに痛快に日本の潜水艦をやっつけるか、高見の見物をしようというつもりに違いありません。
「生意気な汽船だ」
先任将校が耐えかねたように、口の中で怒鳴りました。
しかし誰もが、もう覚悟をきめました。この上は、艦長からの果断なる命令を待つばかりです。
航程六千キロ。本国を後にして、勇敢にも×国の海に進入した第八潜水艦も、遂にここで空しく海底に葬られねばならないのでしょうか。
艦長清川大尉は、ビクとも驚きません。ここで騒いだり、悲観しては帝国軍人の名折れです。
(日本男子は、息の根のあるうちは、努力に努力を重ねて、頑張るのだッ)
大尉は日頃から思っていることを、口の中でいってみました。
見れば、×の攻撃機は、わが艦の砲撃をさけるかのように、やや向うに遠く離れて、もっぱら高度をあげることに努めているのでした。やがてこっちの手の届かない上空から爆撃を始めようという作戦なのでしょう。
「よおし、やるぞ」
大尉は何か決心を固めたものらしく、その両眼は生々と輝いてきました。