轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
たったこれだけじゃ、第一酔いがまわってこないじゃないか、うーい」
そうはいうものの、顔は、もうトマトのように赤かった。
そこへ電話のベルがじりじりなりだした。
「ええい、うるさい」
リーロフは、空の酒壜を逆手にとって、電話器になげつけた。
壜はがちゃんとわれて、破片が、そこら一面とびちったが、電話のベルはなおもじりじりと、なりつづける。
「ふーん、またケレンコの呼び出しだろう。うるさい大将だて」
リーロフは、ふらふらと立ち上って、電話器のところへいって、受話器をとりあげた。
「はあ、リーロフです。え、なんですって。さっき沈めたイギリスの商船の中から、こっちで使えそうな貨物をひっぱりだせというのですか。なに、私にその指揮を? ふーん、私はそんなまねはいやでござんすよ」
リーロフは、もうぐでんぐでんによっていた。受話器をもったまま、かたわらの安楽椅子のうえに、だらしなく尻をおろした。やはり電話の相手は、ケレンコ委員長であった。
「いいえ、ちがいますよ、委員長。私は酒なんぞに酔っていませんよ。第一酔うほどに、酒がないじゃありませんか」
といっていたが、その時ケレンコからなにをいわれたか、急ににやりと笑顔になって受話器をにぎりなおした。