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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
太刀川の両目が、潜水兜のおくから、異様にかがやいた。
(ふん、あれだな!)
見ると、格納庫の中に、とほうもない大きな潜水艦が、鼻をならべて、こっちをむいている。一隻、二隻、三隻、四隻!
それが上中下の三階に、きちんとおさまり、みんなで十二隻! これが恐竜第六十戦隊なのである。
「出発!」
という司令官ケレンコの命令とともに、
ぶう、ぶう、ぶーっ。
サイレンに似た海底をゆするような音がひびいた。
とたんに、十二隻の恐竜型潜水艦が、いっしょにとびだしたのである。まるで十二の大塔がたばになってとびだしたような壮観であった。
そのとき太刀川は、水のあおりをくってよろよろとしたが、目のまえをさっとすぎてゆく恐竜型潜水艦の姿を見のがさなかった。
なんというおそろしい形をした潜水艦だろうか。舳はうんと長く前へつきだしていて、蛇の腹のようである。ふとい胴中は、鼠のようにふくれ、背中と両脇とに、三角形の大きな鰭がついている。しり尾はふとくながい流線型で、そのつけ根のところに、八つばかりの推進機がまわっていたようである。「おい、リーロフ。わしたちは、水中快速艇で戦隊のあとをおいかけることにしよう。