轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
室内の者は、誰も気がつかない。
その扉の間から、ぬーっと現われたものがある。
あ、ピストルの銃口だ!
ピストルの銃口は、しずかに室内の誰かを狙うものの如くぴたりととまった。ピストルを握るのは、膏薬をはりつけた汚い手だった。指が引金にかかった。
とたんに、ドン! 轟然たる銃声!
おそわれた無電室
パーン!
ピストルの音が、びりっと無電室の壁をゆすぶった。
「あ!」
ダン艇長は、身をかわしつつ、うしろの扉をふりかえった。
扉がすこしばかり開いている。その間から、ぬっとピストルの銃口がでている。
――と、たてつづけに、パーン、パーン。
カーンと金属的な音がした。
と思ったら、いままでジイジイと鳴っていた写真電送の器械が、ぷつんと、とまってしまった。
(あ、やられた)
艇長が叫んだとき、
「うーむ!」
と、くるしそうな、うめきごえをあげて、今まで器械の前に、両肘をついていた通信士の体が、横にすーっとすべりだした。
「おお、撃たれたか!」
艇長が、おもわずその方へ走りよろうとしたとき、通信士の体はぐにゃりとなって、椅子もろとも、はげしい音をたてて、床にころがった。