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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
では、どこか島の地下室であろうか、それとも窟の底であろうか。
がんがんがんがん。がんがんがんがん。
またものすごい物音が、足もとの鉄格子の間からきこえてきた。
「ふむ、あれはどうしても、なにか大きな機械を使っている音らしい。そうしてみると、これは………」
太刀川時夫は、はっと気がついて、自分のびしょぬれの服をしらべてみた。そしてなにを思ったのか、うんと一つ大きくうなづくと、体をひるがえして、室のすみにとんでいって、そこへ腹ばいになりながら、鉄格子の間から、下をのぞきこんだのである。
彼は、その鉄格子の下に、いったいどんなものを見たであろうか。
ぽっかりと窓があいて
それは大きなエンジン室らしく、はるか下の方に甲虫の化物みたいなエンジンの一部分らしいものが見える。
がんがんがんがんという音は、ここから聞えて来るのだ。
(一たい、どこだろう?)
太刀川はずきずきいたむ頭の中で、もう一度考えてみた。
(大渦巻にまきこまれて、水中にひっぱりこまれたことは、たしかだが、それから……)
それからが、どうしても分からない。
夢でないことは、自分の服がびしょびしょにぬれていることでもわかる。