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たいようとほしのした
太陽と星の下
小川 未明
「新児童文化 第6冊」1950(昭和25)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,419 字 · 11 页
ぴか、ぴかと、線を引くごとく流れるのは、自動車でありました。そのかぶとむしのような、黒光りのする体に、アンテナを立てていて、走りながら、どこかと話したり、また、放送の音楽をきいたりするのです。
「人間は、ほかの動物のできない発明をする。もし、おれが鯨だったら、どうして人間という敵から、のがれることができようか。」と、少年は、空想しました。
もっと、もっと、氷山のおく深く、安全な場所をさがして、はいりこむだろう。いや、それもだめだ、どんなかくれ場でも、人間はさぐる。精巧な機械を持っているし、また、おそろしい武器を持っている。そう考えると、少年には、人間がひきょうに見えました。そして、自分の力よりほかに、たのむことができない鯨がかわいそうになりました。それは鯨とかぎりません。命のとうとさは、強いもの、弱いもの、べつにかわりがないからです。
少年は、世の中の、不公平や、不平等が、つぎつぎにうずまき、頭がつかれたので、やわらかな草の上へ、仰向けになってねころび、目をふさぎました。太陽の光は、やわらかなようでも、するどかったのです。目をとじていても、まぶしかったのでした。