轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おくじょうねんだけのぜってんにたつき
奥常念岳の絶巓に立つ記
小島 烏水
「中學世界 第十卷第七號」博文館、1907(明治40)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,541 字 · 11 页
ものは、穂高と槍である、無限の時間と空間とに、不朽の身を向けている一本槍の槍ヶ岳は、ここから見ると、七、八個の鈍頂と一箇の鋭錐とを有して天を刺している、或時は月を貫ぬき、或時は雲を截る、槍に続いて赤岳や、祖父ヶ岳が見えるが、その以北は距離も遠いから、藍色に冷めている、常念は穂高と直線に睨み合い、槍に向って北東へ近く斜線を放ち、御嶽や乗鞍岳に向って南西へと遠く、大斜線を放射している。
一体蝶ヶ岳だの、鍋冠山だのという、二千五百米突以下の緑鬱葱たる山に名があって、奥常念一帯の三千米突を出入する大山脈に、無名の山が多いのは、下から仰ぎ視られないから、名の命けようが無かったのであろう、彼等は雲の表に住む、いかんとなれば、常念山脈と槍ヶ岳山脈と並行していて、その東と西は雲で、下界を封鎖しているにも係わらず、並行線の中間、高瀬川渓谷には、霧一つ下りない、しかして両山脈の障壁の外は雲に埋まって九十度の熱日も之を融解することが出来ないまでに、固く結んでいる。
この中で、我が奥常念は一と際高い、殊に蝶ヶ岳に向って低く下っているところは、波の如き山を躍らす