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じょせい
女婿
佐々木 邦
「主婦之友」1925(大正14)年9月~11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,954 字 · 43 页
何か曰くがありそうだ。さあ、好男子、逐一白状に及べ」
と清之介君は飲むにつれて管になった。
「兎になったんですよ。それで今度は新規蒔き直しで大いに警戒しているんです」
「兎とは?」
「まあ免の字に近いという洒落です」
「首だね、成程。首になった次第を物語れ、さあ、好男子!」
笠井君は、拠ろなく或女との関係から赴任後一月半で諭旨になった顛末をユル/\話し始めた。
「……初め校長が、あなたは独身ですか、と訊いた時何とか濁して置けば宜かったのに、正直に、独身です、と言ってしまったんです。すると一月たゝない中にその那美子が後を追って来たじゃありませんか?」
「ヘヽヽ、お安くないんだな」
「直ぐ追い帰そうと思いましたが、北海道くんだりまで慕って来たものを然うもなりません。一晩泊めて因果を含める積りのところ、ついそのまゝ同棲してしまったんです」
「成程、お察し申す。飛んだ因果を含めやがったな」
と清之介君は要所々々で相槌を入れる。
「尤も正直の話、関係は前からあったんです。これが他の社会だと何うにか誤魔化せますが、教育界は窮屈ですよ。苟くも教諭が情婦と同棲していれば屹度首になります。