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にょきゃくいっしゅうかん

女客一週間

豊島 与志雄

「新潮」1931(昭和6)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,724 字 · 26 页

青空文庫

軍人のセミョーンは、王様に仕えて、戦争に出ました。腹の大きなタラスは、商売をするために町へ行きました。馬鹿のイワンは、妹と一緒に家に残って、一生懸命に働きました。軍人のセミョーンは高い地位にのぼり、領地もたくさん出来て、或る貴族の娘と結婚しました……。」(右原文――むかし或る国のあるところに、一人の金持ちの百姓が住んでいた。この金持の百姓には、三人の息子――軍人のセミョーンと、布袋腹のクラスと、馬鹿のイワンと、外にマラーニャという唖の娘とがあった。軍人のセミョーンは王様に仕えて、戦争に出た。布袋腹のクラスは商売をする為めに街の商人のところへ行き、馬鹿のイワンは妹と一緒に残って、一生懸命に働いた。軍人のセミョーンは、高い位や領地を得て、或る貴族の娘と結婚した……。)

大体そういった調子なのだ。ところが、こんなやさしいところは無事だが、少しむずかしいところになると、彼女は言葉につかえたり、云いなおしたりする。小学校の子供たちは、殊に男の児は、それを非難する。嘘を読んでいるんだといいだす。彼女は書物を見せて、説明してやる。そしてなお熱心に話し続ける。そうした読み方が子供たちには嬉しかったに違いない。